つい数年前に、某占い師が「お墓に家紋を彫ると不幸になる」などと言い出し、お墓の家紋を削ってほしいという注文が増えた時期がありました。
その占い師はテレビで芸人さんの芸名を変えさせたりやりたい放題で、当然それで売れるはずもなく、占い師も芸人さんも今はもう見なくなりました。

まあその話は置いといて、まず家紋とは何なのでしょう?
昔は苗字よりも重要視されていたと言われる一族のマークのことです。

徳川家・丸に三つ葉葵
徳川家・丸に三つ葉葵
豊臣家・五三の桐
豊臣家・五三の桐

 

徳川の家紋は、みなさんよくご存じの「ひかえおろう!」の葵のご紋ですが、時代や家によって少しづつ形が変わっていたと言われています。

さて、お墓の水鉢などに彫られる家紋ですが、自分の家の家紋を知らない人が多いのではないでしょうか?冠婚葬祭の着物で見るくらいで、それもよく似た形が多いので、家紋の名前までは調べる人いないですよね。

だから、お墓を建てる時に我が家の家紋を初めて知る人が多いのです。

よく、”本家のお墓からトレースしてほしい”と言われるのですが、あまり古いお墓のものは参考にしかなりません。
なぜなら、昔の石屋さんの技術では、周囲の丸輪の太さが正確でなかったり、葉っぱの葉脈がいいかげんだったりして、あとでトラブルになりかねないからです。

また、家紋帳に出ていないオリジナルのものもあります。
やはり着物に使用されているもの、または額縁に入った正式なものを元に、家紋帳で念入りに確認し、家紋帳になければ家紋ソフトで正確に原稿を作ってもらって下さい。今どきコンピュータを使用しない石材業者はいないと思いますが、念のため彫刻原稿を出してもらって確認するようにしましょう。

また、家紋に白の黒の色を入れることもありますが、これは好みでよいと思います。ただ、10年以上経つと、色がところどころで剥げはじめ、見栄えが良くなくなるので、最初は見えにくくとも、無色の石肌のみでもよいかもしれませんね。


スポンサードリンク