宗教的な意味での分骨

火葬場からお骨を持ち帰る際、お骨を入れた骨壺のほかに、お骨の一部を小さい骨壺に入れて渡されます。これを分骨といい、本来は宗派の本山に納めることになっています。ちなみに、私の家は真言宗なので、祖父の分骨を高野山まで納めに行ったことをよく覚えています。

さて、この分骨ですが、最近では本山まで行かず、檀家となっているお寺さんにお納めするケースが増えているようです。本山まで納めに行くのは、お布施の金額もそうですが、とにかく費用と時間がかかるというのがその理由のようです。

また、分骨の骨壺をお墓のカロート(納骨室)に大きいものと一緒に入れる方もおられます。カロートが小さく、両方入らないときは大きい骨壺にお骨をまとめて入れることもあります。近年ではお寺の檀家にならないという方も増えており、そのような家の方はお墓にすべて入れているようです。

 

故人を身近で供養したい

以上のように宗教的な解釈で行われてきた分骨ですが、ここ数年で別の意味が加わってきました。それは、手元供養という新しい形で、小さくおしゃれな骨壺に入れ直して自宅で日常的に供養をしたり、ペンダントなどに加工して身に着ける方式です。

これからもお骨の保管については様々な形式が産まれてくると思いますが、故人を大切に思う気持ちを失わないのであれば、それがどのような形にせよ、十分供養になると思います。

 

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