お墓を撤去して、お骨をお寺に預けたり、散骨したりするいわゆる墓じまいですが、具体的にはどのような手順で進めればよいのでしょうか?

地域によって異なりますが、香川県の中讃地区を例にご説明したいと思います。

動画版はこちらをご覧ください 

(FM-SUN「まるごとえいじのコーナー」より)

以下から本文です。

  1. まずは、親戚などに確認をしておく → お墓に眠るのはあなたのご両親やご先祖がほとんどだと思いますが、親戚の方にとっても大切な肉親です。お墓が無くなることによって、トラブルになる可能性もありますので、特にご年配の親戚には必ず了解を得ておきましょう。

  2. お骨をどうするのかを決める → お寺の納骨堂で預かってもらう。海や山に散骨する。などを決めます。
    古いお墓の場合は、お骨が多量に出てきたり、土葬の骨が出てきたりすることもあるので、お寺の納骨堂に入りきらないこともあります。特にお寺や公営墓地などは、再販をするため、お骨はすべて取り出さねばならず、大量に出てきた場合、困ったことになる可能性もあります。
    お骨の量がどのくらいあるのかは、実際掘ってみないと正確には分かりません。土葬が何体も埋まっているような場合は、かなり深くまで掘らねばならず、隣接する他家墓地の基礎にも影響が出るため、墓地管理者の許可を得られるなら、そのまま土中に埋めておく方がよい場合もあります。
    なお、土葬で出てきた骨を公共の火葬場で焼いてもらうことは現在では難しいようです。

    <合祀墓での永代供養をご希望の方>
    お骨を合祀墓(他の方のお骨と一緒に永代供養します)に埋葬したい方は、弊社契約寺社をご紹介いたします。住職が自らお骨を粉末状にし、寺社内の納骨塔にて永代供養していただけます。1体13万円ですが、全体量によって料金は、ご相談させていただきます。

    <パウダー加工をご希望の方>
    また、散骨や手元供養用にお骨をパウダー状に粉砕することも可能です。この場合は、1体あたり3万円+税をいただいております。ちなみに墓地、埋葬等に関する法律では、お骨は指定の場所以外に埋めてはいけないことになっていますが、自宅庭などに撒くことは禁止事項ではありません。ただ、私は近所の方も気持ち悪がられますし、何より土地の資産価値が下がるので止めた方が良いと思います。 

  3. お寺との関係も見直しておく → 今までお世話になっているお寺の納骨堂に預かってもらえるなら特に問題は起きませんが、別のお寺に預かってもらう、または散骨する、年忌法要もしないということで、お寺との縁切りを希望される方もおられます。しかし離檀料などを請求される場合があり、その金額でトラブルになるケースがありますので、よくよくお寺と相談をしておいてください。

  4. 改装許可証、墳墓撤去工事許可証などを申請する → 行政が管理している墓地はもちろん、そうではない墓地であっても、墳墓を撤去してお骨を移動する場合は改葬許可申請書改装許可証を申請せねばいけない場合が多いです。また市営のように公営墓地の場合、石材店に依頼して、墳墓撤去工事許可申請書なども作成・提出せねばなりません。その際に墓地の権利者と申請者が違う場合は、墓地承継申請書も必要になります。撤去工事後の墳墓撤去完了届などは、署名・捺印して石材店に預けておけば、工事後に代理提出してもらえます。さらに墓地も管理者に返還する場合は、使用墓地返還届などを提出します。この時に墓地使用許可証か使用墓地領収証書を紛失している場合は、使用墓地の返還に伴う誓約書の提出も義務となっています。これらの手続きは、坂出市の場合はけんこう課(0877-44-5006)、宇多津町は住民生活課(0877-49-8002)、丸亀市の場合は生活環境課(0877-24-8809)で行っております。
    なお、弊社で、これらの手続きを代行する場合もありますが、委任状へのご署名ご捺印が必要であったり、戸籍謄本はご自身で入手していただく必要もありますので、なるべくならご自身もしくはお身内の方で手続きされることをお勧めいたします。
墳墓撤去申請フローチャート(坂出市)
  1. 撤去工事をお願いする石材店を決める → いよいよ工事をお願いする石材店を選択することになりますが、石材店との付き合いは一回きりだからと代金の安さのみで選ぶと、あとでトラブルになるケースもあります。例えば古い墓地で途中までしか撤去せず、台石や巻石をそのまま放置してあるところがあります。これは将来地震などで台石が倒れ、他のお墓に迷惑をかける場合もあり、そもそも景観がたいへん悪くなります。また、作業員が深く掘らずにお骨を取り残していた場合など、後日次の使用者がお墓建立工事時にお骨が出てきてしまうなどということもあります。工事実績の多い、また地域に根付いた信用おける業者をお選びください。

    弊社は、石材業として60年以上、坂出で墓石をお取り扱いさせていただいて約50年の実績があります。弊社にお任せいただければ責任をもって作業させていただきます。
    弊社で作業させていただく際の料金は、税込みで20万円~30万円のケースが多いので、目安として下さい。ただし、墓石が巨大な場合、墓石が多数ある場合、大きな基礎コンクートや基礎石を撤去の場合、遠方や墓地条件が悪い場合は、30万円を超えることもあります。
    (なお、高松市・坂出市・宇多津町・丸亀市以外の墓石撤去につきましては、相見積もりのご依頼はお断りさせていただきます。現地調査のコストがかかりすぎるからです。ご了承ください。)


  2. どの段階まで撤去するのかを確認 → 丸亀市の青の山墓地のように、巻石や基礎まですべて撤去せねばならないのか、巻石や基礎を外すと隣のお墓に影響が出るので、そこは残してよいのかなどを墓地管理者に確認しておいて下さい。行政やお寺は、そこが管理者になりますが、昔からの村墓地などは地域の自治体だったりして、首長となかなか連絡がつかなかったりするので要注意です。さらに、”○○家之墓””南無阿弥陀仏”などと彫られたお墓の部材を棹石(さおいし)や拝み石などと呼んだりするのですが、その部分のみ別のところで安置して永代供養する場合と、廃棄処分する場合があります。家族が長年手を合わせたお墓だけに、廃棄するのはちょっと・・・という方は、お金は多少増えますが、永代供養にされたほうがよろしいかと思います。

以上が、おおまかな手順となります。特に親戚との話し合いなどは時間がかかる場合が多いですので、決断をしたら早めに行動されることをお勧めいたします。