宗派によるお墓の違い

動画で分かる”宗派によるお墓の違い”

以下、本文です。

日本には同じ仏教でも多くの宗派があり、また時代によっても分派したりして、変化を繰り返してきました。

日本の主な仏教宗派

分 類

宗 派

開 祖

奈良仏教 南都六宗(三論宗、成実宗、法相宗、倶舎宗、華厳宗、律宗) 中国仏教の学派をそのまま受け継ぐ
密教 真言宗 空海(遣唐使で唐に渡り帰国)
法華経 天台宗 最澄(遣唐使で唐に渡り帰国)
鎌倉新仏教 融通念仏宗 良忍(浄土系)
浄土宗 法然(浄土系)
臨済宗 栄西(禅系)
浄土真宗 親鸞(浄土系)
曹洞宗 道元(禅系)
日蓮宗 日蓮(法華系)
時宗 一遍(浄土系)

 

お墓にはある程度、宗派によって違いがあります。香川県で多数派を占める真言宗と浄土真宗について、その歴史などと共に述べてみたいと思います。

 

◆真言宗

弘法大師空海が開祖 → 密教(大日如来を本尊とする秘密の教え)を伝える。

密教は言葉に寄らない教えであり、経典などで広く伝える顕教と対比。加地・祈祷を重んじる。

総本山は高野山金剛峰寺

・「即身成仏(現世において成仏する)」を最終目的とし、現実を肯定。

・平安後期、真言宗中興の祖:覚鑁により、浄土と密教を融合させ「真言念仏」を開く。五輪塔の生みの親であり、お墓や追善供養の習慣を全国で広めた。

・御宝剛「南無大師遍照金剛」を唱える。

・戒名に高僧や位の高い人には院号を付け、最後は居士(信士)・大姉(信女)で終わる。

・梵字を使用し、五輪塔にはそれぞれのパーツごとに梵字を付ける。

・追善供養のための卒塔婆を立てる。卒塔婆は五輪塔と同じく仏舎利を納めたストゥーパが語源。

 

◆浄土真宗

・開祖は親鸞 浄土宗開祖の法然の弟子。

阿弥陀如来を本尊とし、信心念仏で誰でも浄土に往生できるという考え。

つまり遺族による追善供養を必要としない。

・「他力本願」の本来の意味は、阿弥陀仏にすがり、すべての人々を仏に成らしめようということ。

・他宗派と比べタブーが多い。「門徒もの知らず」と揶揄されることも。

・卒塔婆供養をしない。戒名ではなく法名と呼ぶ。法名に院号などは付けず、霊位という文字も使用しない。仏壇に位牌を祀らない。五輪塔を建てない。水子地蔵を建てない。梵字を使用しない。霊標も建てない→法名碑。線香は立てずに横に寝かせる。などなど

・正面文字には「南無阿弥陀仏」と彫る。人間は、死ぬと何も無くなるという考え方から、お墓で先祖に向かって拝むのではなく、阿弥陀仏をお迎えして拝むという考え方。

 

お墓を建てる石材業者には、これらの知識は必須です。
これらの規則をご理解いただき、お寺さんの承諾があれば、お施主様のご意向に沿ったアレンジをすることも可能です。
石材店の営業マンの中には、このような知識も持たず、適当な提案をしてくる者もいますのでご注意下さい。